盛り塩

盛り塩を知っていますか。
盛り塩とは料理店の玄関にピラミッド型に塩を盛り上げておいたものです（まだイメージできなかったら、右側の写真を見てください）

この塩は、何の意味を持っていますか。「清め」のためのものと思っている人が多いですが、そうではなく、お客さんがたくさん来てくれるようにという「おまじない」なのです。

昔、中国の皇帝は「36の後宮には3000人のしゃくじょよそおいを飾り」と言われるほど多くの妾（めかけ：vợ lẽ）を囲い、牛車に乗って夜ごろ妾の屋敷を訪ねていたわけです。妾のほうはいつも皇帝に訪ねてもらいたいです。しかし、3000人は少ない数字ですから、競争率が高すぎる。

そこで、頭がいい妾（の屋敷の者）が一計を考え、玄関に盛り塩を置いた。牛は草食動物なので、分塩をとらなくては生きていけません。つまり、牛は塩が大好きです。だから、玄関に盛り塩を置いて、牛は止まって動かなくなってしまったわけです。この故事から、来てほしい人（お客）を招き寄せるおまじないとして、玄関に塩を盛りようになったのです。